「蒸発する時」… 桜の木の下で

さくら2018
片山知子の気まぐれBLOG

桜のシーズン、今年は例年より早かったようですが、桜を見ると、思い出す涙の物語がある。
蒸発するって、今は使わなくなったけど、一昔前、えっ、あの人も蒸発したん⁉️なんて使われていた言葉。今はなんと言うのかな、多分、単に失踪と言うのでしょうか?
立場ある人が突然行方をくらまし、なんだか、10年後くらいに現れると言う、まるでドラマのような出来事が私の周りにもありました。Nさんは蒸発したらしいよ。ある日突然連絡不能になって、もちろん会社にも来ないし、家にも帰らない。10数年後、そのNさんから突然に電話があった。是非、会いたいと言う。昔々、とてもお世話になった、かつての上司。無下にも出来ず、話の内容が私の友達の著作権にまつわる事だったので、とあるホテルのカフェで延々と話しを聞く。そして、夕食に行って、思い切って聞いて見た。「蒸発するって、どんな気分なんですか?!」彼は淡々と答えてくれた。

あのね、いつものように山手線に乗って、会社に行く途中。車窓からとても綺麗に咲いている桜がみえたんやね〜。それで、時計を見ると若干時間があるので、ちょっと電車をおりて、その桜の下に行こうと思ったんやね〜。ほんとに、ふとそう思ったんや。蒸発するつもりなんか全然ない。で、そこは公園で、その桜の木の下に座ってきれいやな〜と思っていたら、どんどん時間が過ぎる。あ〜、もう10時過ぎた。会社に電話せな。みんな困っているやろ〜と思いながらも、なんやぼぅ〜と座ってるんやね〜。そしてお昼になって、喉も乾いてきて、公園の近くにあったコンビニに行って、なんや買って、そこに公衆電話があるから、電話したらいいのに、それが出来ない。公衆電話を横目に、あ〜、電話せな〜、今頃、みんな心配してるやろな〜と思いながら、また、元の桜の木の下に座るんやね〜。(この時代、今のように携帯やスマホがなかった。なので公衆電話から電話するのが常でした) ずっ〜と、電話せな、電話せな〜と思っているんやけど、なんや、ぼぅ〜としてるんやね〜。そしたら、夜になってしまって、まだ、そのままじっとしていたら、ホームレスのおじさんが、そんなとこに座ってたら、病気になる。こっちにおいで〜と誘ってくれて、そのおじさんについて行って、これがホームレスの仲間入りやった。不思議な体験やった。もしホームレスのおじさんが誘ってくれなかったら、僕は3日でも4日でも、あそこに座り続けたかな…。

そうなんや、もちろん、これが全てではないけど、失踪する気なんかないんやね、きっと。気がついたら、そうなってるだけの事なんやと思う。私は若い頃、そんな蒸発するなんて、なんて無責任な〜。そんな人になったらアカンと思っていたけど、話しを聞くと誰にでも起こり得る悲しい物語ですよね。

やっぱり彼は孤独やったんやろね。芸能界と言うチャラチャラしたうわべの世界に生き、大きな業績も残し、一時はそれなりの財も築いたのに、全てを失ってしまった。自業自得と言えばそれまでですが、妙に心に残る再会でした。

彼はやっと愛する人に巡り会えたようで、今はどこか外国で彼女と幸せに暮らしているようです。

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